いつから夜が明るくなったのだろう。光と影があるように、事象には表と裏 が潜んでいるというのに・・・
ウニはそんなことを思い浮かべながら、いつもの散歩コースをただぼんやりと眺めていた。

目に見えない、あるいは見えているのに意識出来ない。そんな光景が日々訪れているのかもしれない。

ウニは思う。自分が笑顔でいられたら。毎日を精一杯生きられれば。それは必ず周りの幸せに繋がると。見えることより、見えないことの方が大事だということを。
ウニは足どりがいつもと違うことに心地好さを感じながら、過去と未来の狭間に身を委ねている。夜風を浴びながら。(アクシーノ出版 「ワン夜行路」ウニ著より抜粋)